Googleは凄いね。

世間をサプライズさせることに関して、Googleのような役者は他にいないのだろうと思う。
時代の時々で、世間の注目を集める技術は違うのだと思うが、ことインターネットの領域に関しては、右に出る役者はいない。

Google Mapを発表したときは、「なんで、一インターネット企業が衛星写真を(無償で)公開できるの?」と世間を驚かせた(Google Mapが、Ajaxを普及させたサービスであることはよく知られている)。

これに追い討ちをかけるように、クライアントツールのGoogle Earthを配布して、コンピュータに関心のない人たちをもサプライズさせた。

最近では、Mapを更に推し進めたStreet Viewで、またもや「なんで、こんな写真が撮れるの?」と世間を驚かせた。

Ajaxが流行り始めたのは、2005-2006年頃だったように思うが、当時、Google Map APIについて随分調べた記憶がある(自分の手元にあるサンプルコードは2006年初めの日付になっている)。
仕事が離れて以降、あまり真面目にみていなかったが、Google Mapのトップに「ルート・乗り換え案内」と書いてあるのに目が留まった(下図)。


Googleも、Yahooのようなサービスを始めたか、と思いきや、ビックラこいてしまったので、メモとして書いておこうと思う。

自動車を使う場合のルート案内

自動車をつかったルート案内は、昔からあるGoogle Mapをつかったアプリケーション。
「渋谷駅から、新宿駅まで」を指定してみた。
注目は、左ペインの下に、ナビゲーションがモロに日本語で表示されている(下の赤枠)。よく見ると、距離も計算されている。
一番最後の「目的地は右側です」というのは、印象的なフレーズだ。

下は、Map Styleの「その他」で、

  • 「動画(YouTubeに関連する動画があれば、地図上にアイコン化されて表示される)」
  • 「写真(Panoramioから関連する写真を表示)」
  • 「説明文(Wikipediaに関連する文書があれば表示)」

の3つを指定した後に、左にあるナビゲーションの「1.国道246号線/玉川通りに向かって南に進む。」を選択したところ。
1番には「カメラマーク」があって、写真が表示される(これは、モロにStreet View)。

電車や飛行機を使う場合のルート案内

これもすごい。
「駅すぱーと」とタッグを組んでのサービスになっている。
下は、上と同じ「渋谷駅から、新宿駅まで」を指定した画面。
左ペイン下(赤枠)に、ルートの候補が上がってくる。
「駅すぱーと」も地図と連携することで、グっと印象が違う。

下は、2番目のルートを選択した場合(1番目は山手線なのでつまらないので)。
銀座線から大江戸線に乗り換える、と出てくる。
東京メトロの色までおんなじ。たまらないなぁ。

Googleローカルな駅スパートが「強み」を出し合った作品。
「駅スパート」の収益モデルはどうなっているのだろう。


徒歩の場合のルート案内

最後は徒歩の場合。
これはStreet Viewそのまんま。

出発点と終点は、地図上を右クリックして、コンテキストメニューを表示して指定できる。

下の写真は、「新宿駅から京王プラザホテル」を指定した場合。
もうお腹いっぱいという感じ。

まとめ

Googleはやっぱりすごい。
サービスのシナジー効果を最大限に利用して幾何級数的に進化してる。
以後の注目は

  • 携帯用Google Map。携帯用のGoogleMapのサービスが開始されている。iPhoneが代表するように、モーバイルデバイスの進化(=搭載されるブラウザーの進化)が明らかなので、ezwebを超えたサービスに発展する可能性がある。
  • W3CのWAI-ARIAとの連携。FireFox3では、いちはやくNVDAとのリンクが可能になっていて、YUIはすでにそれをサポートしている。これでなにができるかはビデオを見た方が早い(Yahoo videoへのリンク)。そうブラウザ内の動きにあわせて、デバイスが喋るようになる。今後、登場するブラウザーは、程度の差こそあれ、これをサポートしてくる。「自動車を使う場合のルート案内」と掛け合わせれば、どんなサービスになるかは簡単に想像できる。

Googleは、あくまでもオーガニック検索にこだわって複数のサービスを(自動的に)結び付けている。だから、地図上に表示される画像や写真の中には、「ちょっとこれは」というものもある。それでも、「衆知をオーガニック検索でリンクさせる」という思想は、Web2.0の体現者たる姿勢だなと感心してしまう。

今の日本で足りないのは、「Wifiのアクセスポイント」だけ
Googleが、道路にWifiのアクセスポイントを無償で設置する日、がくるかもしれない。