web2.0

本日も、過去に書いたブログからの再掲です。原著は2006/7/16です。

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web2.0」が流行っています。


何冊か本を読んでフォローしましたが、一見「玉石混交なトレンドの集まり」に見えるのですが非常に重要な洞察が多く含む概念と感じるに至りました。
本のうちの何冊かは、筆者の読書メモ用のブログhttp://ameblo.jp/configtestにもカンタンにメモを書いてあります。


まずは、提唱者のティム・オライリーの論文を読んでみるのが、本質を追うのによいと思います(訳文が出ています)。


「ネットワークの外部性(多くの人が利用すればするほど価値があがるということ)」という概念自体は新しいものではありませんが、この概念を正確に理解した企業に、今ほどビジネスチャンスが訪れている時はないようにも思います。


どなたかが「これからはデータの蓄積量が勝負」というような論考を述べていられました(たしか、googleのサテライトにでてくるような衛星写真の話に関連してだったと思います)。
たしかに、googleやyahooについては、そのインデックス量自体が「オーガニック検索ビジネスへの参入障壁」として非常に高いものとなっています。
このマーケットに新規に参入するのは、大変な投資と勇気のいることだと思います。


これとは対極にあるのが、ビジネスブログに代表されるような「ロングテール」なのだと思いますが、これにまともに取り組む企業もROIという意味では非常にリスキーだと思います。
ロングテールの代表格のamazon.comですら、かなり長い期間にわたって利益を上げることができませんでした。
現時点では、アフィリエイトであるとか、そういった参入障壁の低い「個人事業者」向けのビジネスモデルと位置づけるのが妥当なのでは? と思ったりもします。


Web2.0をフォローしていて特に強く感銘を受けたのが、WEBをプラットフォーム化するという思想のベースに「善意の輪」という前提を置いていることです。
「有象無象が巣食うインターネット」というのもまた真実ではあると思いますが、ブロゴスフィアSNSWikiPediaなど善意の輪でつながるコミュニティーが広がっているのもまた事実です。
企業としては、これをどうとらえるのか?大変興味があるところです。


技術論的にはAJAXがもてはやされていますが、一番ギクっときたのが「フォークソノミー」です。
これは具体的にはIT技術ではありませんが(とはいえ、ITなしではインプリできないでしょう)、分類学の考え方を根本から揺さぶってしまう可能性が十分にあります。
博物学や図書館学などといった「分類を学問体系の重要な位置に置く学問分野」は、まともに影響をうけるのではないでしょうか?


web2.0の対して、「なんとか2.0」とかいっている方をよく見かけますが、web2.0はインターネット社会やIT業界の勢力図の趨勢と潮流を的確に捉えた重要概念であると思います。


「なんとか2.0」がたくさんできるだけのBuzzに終わらないことを祈るばかりです。