設計製造ソリューション(DMS)+3D&バーチャルリアリティ展(IVR)に行ってきた。

東京ビッグサイトで行われている展示会に行ってきた。見たのは、設計製造ソリューション展(DMS)と3D&バーチャルリアリティ展(IVR)の2つ。

製造業育ちなので、設計製造ソリューションの方は必須という意識があるのだが、お隣のブースの3D&バーチャルリアリティもとても面白かった。
3Dのエリアは、なんといっても3Dプリンターにものすごく人が集まっていて、熱気がスゴい。自分もいろいろな種類のプリンターが見られて勉強になった。

こんな感じで、Personalとか書いて売っているものもある。個人で所有できます、というステージに入っている。グルーガンのような樹脂を射出するハンディタイプのものなら19800円のものがあった(でも、これはプリンターではありません)。ホビー系としてはとても面白そう。

ここも3Dプリンターのブース。人の数がスゴい。

個人的にとてもスゴいと思ったのが、積木製作さん&朝日テレビメディアプレックスさんのVRのブース。(話を聞くのに夢中になってしまって、写真を取り忘れてしまった)
iMacがおいてあって、3D用のゴーグルをかけると、ゲームのような仮想現実(VR)の世界に入ってしまう(ゴーグルをすると、完全に入ってしまう)。ここまでは、他のブース(例えば、トレーニング目的のシミュレータとかもそう)と変わらないのだが、仮想現実の画面がChromeレンダリングされていてビックリしてしまった。
iMac+Google Chromeに、PSのゲームみたいな3D画像がぐるぐる動いている。この画像がとてもリアルに出来ていて、ガラス面への映り込みまでキッチリCGになってる。ヒラヒラ飛ぶアバターに、iMacのカメラでとった自分のビデオが(リアルタイムに)はめ込まれて、他のアバターとチャットできる。
これが、Chrome上で動いてる!!
開発をされたのは、朝日テレビメディアプレックスさんのまだ20代と思われる人。あんまりスゴいのでお話を聞いてみると、WebGLやWebSocket etc.といったhtml5で動いているとのこと。なんでここまでできるのだろうと思っていると、学生時代からエンジンの開発にも参加していると聞いて、スゴく元気&国際的な若い日本人に会えてうれしくなってしまった。明日から、ロンドンのブラウザー開発者のカンファレンスに行かれると聞いた。素晴らしい!!

あとは、Citrixさんの3D CADを仮想デスクトップに置く、というのも興味深かった。3D CAD(ソリッドモデル)は(これも)レンダリングに時間がかかるので、昔(10年位前)はワークステーションでやっていたし、ハイパフォーマンスなマシンでなくちゃ、という感覚があった。
NVIDAと共同開発したvGPU(仮想グラフィッフ用チップ)をXenServerのハイパーバーザーに載せて、その上に仮想サーバーか、仮想デスクトップを載せる。前者の構成は、Meta Frameとほぼ同じものになる。
いずれにせよ。高価な3D CADのマシンはいりません、という構成ができてしまう。
Xenはもともとオープンソースだったが、Xen Sourceという会社ができて、すぐにCitrixに買収されてしまった。これが5,6年前のことだから、こういうソリューションは当時、すでに頭にあったのだなぁ、と思ってしまった。

CAD関連は展示会のメイン。Citrixさんの仮想、朝日メデイアプレックスさんのVR。どっちも3DモデリングへのITの適用。きっと、3D CADはブラウザーベースになってしまう、と思った。
そうしたら、すぐに3Dプリンターで(技術)試作はできてしまう。ブラウザーベースなら、どこにいてもできるし、3DプリンターがPersonalになっている以上、世界中のどこでもできてしまう。
素晴らしい!!

その他、AR(拡張現実)のブースにも立ち寄ったが、これもかなり面白い。
文書の中に動的にビデオを埋め込んでしまうデモを見せてもらった。VRとARの(個人的な理解による)違いは、前者が完全にCGの世界に入ってしまうのに対して、後者が現実を写す画像ストリームをパターン認識して、そこになんらかを埋め込んでしまうところにある(と思っている)。文書の中に動的にビデオを持ち込めれば、本の形態が変わってしまう(前にテレビでみたことがあるから、もうなってる?)し、広告のあり方も変わってしまう。スゴいものができてるなぁ。

最後に、母校の東京工業大学が出展していたので立ち寄った。

展示していたのはスパコン(当然ですが、持ってこられないので、写真とか能力の説明とかの展示です)。ロマンがありますね。
このブログではしばらく分散コンピューティングをやってきたが、スパコンでなくちゃできない計算がある。たとえば、天気予報。的中率が昔よりよくなっているのは、コンピュータの能力があがったからに他ならない。
立体地図も解像度を上げれば上げただけシミュレーション精度はあがる。そもそも流体力学の方程式は解析的に解けないので、コンピュータで近似計算するしかない。
4m幅の道路は10mのメッシュでは潰れてしまうが、1mのメッシュなら描き出すことができる。それをできるだけ広い範囲に拡大できれば尚良い。風雨の話にしろ、地震の影響にせよ、カオスな話(地震は「べき乗則」と最近本で読んだが)なので、遠くで発生した出来事が大きく拡大して波及する(バタフライ効果)。
昔、汎用機を使ってた人なら「水冷式」だったのを覚えているのだけど、今は伝導率の低い「油」で冷やしているのだそうだ。
当然、ファンなんかついてないし、外部記憶装置はSSDだから回転物はないとのこと。
夏に見学会があると聞いたので、これは見に行かなくてはならない。