プロジェクトマネージメントのメタファー

本日も、過去に書いたブログからの再掲です。原著は2007/3/24です。

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プロジェクトマネージャーにとって、プロジェクトを進めることは
「ピンと張った鎖を水平に引っ張りあげること」
に喩えられると思っています。


鎖の1つ1つはワーキング・グループ(WG)であったり、タスクを実行するチームであったりします。
鎖の長さはプロジェクトそのものの大きさ(や投資規模)を表します。


「ピンと張る」ということは、引き上げるにつれて、よれたり、切れたりしないこと。つまり、強度に弱い部分がないこと、強度が引き上げるために十分、かつ均一であることを意味しています。


これを「水平に」、つまり、足並みを揃えて「上へ引っ張り上げる(ゴールを目指していくこと)」になります。


そして、プロジェクトの成功要因は、「上にひっぱりあげるにつれて、強度を保ったまま、鎖の輪を小さくしていくこと」です。


鎖の輪を小さくして、強度を保つには(力学的に言っても、素材の変化を認めなければ)輪を太くする必要があります。
「輪」は、前述のようにチーム(人の集まり)ですから、その「和」は(プロジェクトが進行するにつれて)強くならなければなりません。
プロジェクトマネージャーは、チームリーダーに権限と責任を委譲し、輪の強度を見極めることとそれが弱ければ強めることを叱咤激励します。


また、輪が小さくなるということは、プロジェクトの終局において、タスクが細分化される、システムの詳細仕様が決定されるなど、細部の重要性が増すことをも意味するわけですが、運用が見えてくるタイミングはユーザーが初めて本気になって仕様に注文をつけるタイミングでもあります。


プロジェクトマネージャーは、それがよれて(つまり、方向性が曲がって)鎖がきれないように指揮をとる必要があります。